私は辛いものがとても好きである。
ですからカレーも好きなもののひとつである。
ただ、カレーは他人が作ったものに限ると
思っている。
なんでかといえば私の作るカレーは
とんでもなく美味しくないからである。
カレーなんて誰でも簡単に作れる料理じゃん。
そういうなかれ、旅人よ。
このように書くと私がひどく料理が下手で
あると思われるでしょうが、それは大きな
間違いである。
私は優雅にヤカンでお湯を沸かすことができるし、
インスタントラーメンなんかは5分もあればささっと手際よく
作れます。挙句の果てには赤ワインでレバー煮(※1)を
美味しく作れますし、今日の夕飯なんかさー
カレイの煮付け(※2)を作ったりもしたわけですがな。
そんな私がカレーを作れないなんて。
私が作るカレー・・
何回も何十回も作っていくうちに味はどんどん
落ちてゆく。
なので最近じゃ月1回作るかどうかの間隔に。
10年前からそんなことにぼんやり気がつき、
私はあらゆる人に各家庭の作り方を聞いたものだ。
チョコレートを隠し味に・・
りんごとはちみつ、とろーり溶けてる~
たまねぎを炒めるときにターメリックをまぶす・・
ソースとかしょうゆを入れる・・
やっぱりガラムマサラでしょー・・
試したけれど、味がどんどん落ちていったので
最終的に何も隠し味をせずに、2種類のカレー粉を
ポトンと落とすだけ、というところまで行ってしまった。
それは我が家の重鎮、さすがにうまいとはいわない。
もともとあまり・・言わないのだったが
さすがに私も美味しいとは感じない。
そんな私が先月の終わりに
あまっていたトマトを角切りに切って入れてみた。
すると私のいつものカレーが・・
普通のカレーの味になっているのである。
今月作ってみたカレーは玉ねぎもお肉も
炒めることもせず、そこにトマトを入れ、ただ圧力鍋で
3分加圧のそのまま2分、その後にカレー粉を
入れただけのオイルを使わないヘルシーなカレーだったが
これが・・普通のカレーよりも美味しくできたのである。
その晩、我が家の重鎮の血圧記録ノートには
「今日のカレーは美味しかった。」と書いてあった。
(勝手に読んだわけじゃないのよー)
そう、私は何かから抜け出せたのかもしれない。
ってか美味いなら、本人に言えよー!!
である。
(※1) 調味料は赤ワイン・しょうが・砂糖・醤油
(※2) 調味料は水・酒・みりん・醤油・砂糖
〔上記の調味料で煮込むだけ、という非常に調理の
レベルが高い料理だといえよう。〕