2011年1月7日金曜日

欠落園

脱衣所から

  「なんか・・白っぽいものない?」

             我が家の重鎮の声。


このお方はいつも主語がない。
なので

     『一体なんのコッテスカ?』



といちいち口調が荒くなる・・そんな私は
了見が狭いのでしょ・・う・・か・・?

たとえば夕食中に

   「そういえばあっちのさぁ・・」


と我が家の重鎮が指差す先が・・
私の後ろにある鍋のことだったり
町内会のA宅だったり、東北地方だったり
はたまたアメリカのフロリダだったりするのです。

最初に申し上げたようにその話は主語がないため
テレビの話題に関係することなのか
今日自分で体験した話のことなのか
知人や隣人の話のことなのかはたまた
戦時中の話であったりするので・・

   いつ?
       どこで?
           だれが?
              なにを?

というところまでたどり着くまでじぃっと私は
頭の中で整理しようとする。

すると・・

          「それでさ・・」

といったまま話が止まる。

 
             ん?
 
             で?

            オチは?

と突っ込むと・・

  「あら・・聞いていないのかと思った。」と。

まるで私が聞いていないかのような言い草。
まぁ長年一緒にいるからして
「白っぽいもの」の意味が

『これから洗濯するけど白っぽい生地だったら
 一緒に洗濯するけど、何かある?』

って言いたいことくらいわかってはいるが・・

何か釈然としないのよね、毎日が。